1917年4月10日 続き
独立芸術家協会の第1回年次展が1917年4月10日に
開催されたのは、歴史上の事実である。
しかし、この日、特に何かがあったわけではない。
いや、表立って何もなかったから、画期的な日になったと
正しくは、そう書くべきだろう。
なぜなら、協会の創設メンバーであり、
ディレクターの一人でもあったデュシャンが匿名で、
“R. Mutt”の名(pseudonym)を記してエントリーした“Fontaine”が
“no jury”という展覧会のポリシーに反して出展を拒否されたからだ。
自ずと、展覧会にFontaineが展示されることはなく、カタログにも何も記載されていない。
写真は、アルフレッド・スティーグリツが1917年に
ニューヨークの291ギャラリーで撮影したオリジナル・ヴァージョンだが、
なぜかlost / destroyed。壊されて雲散霧消してしまったらしい。
そう、アートの20世紀は、
この「表に出ることなく消えてしまったオブジェ」から始まったのだ。
と、あれこれ調べながら書いていたら、
フィラデルフィア美術館が100周年を記念して、4月1日から12月3日まで
“Marcel Duchamp and the Fountain Scandal”を
開催していることがわかった。(うーん、行きたいなあ)
http://www.philamuseum.org/exhibitions/855.html
京都国立近代美術館でも…なのだが、日にちを間違えている(www)。
http://www.momak.go.jp/Japanese/collectionGalleryArchive/2017/specialTheme2017curatorial12_koe.html
そりゃあ100周年だもの。いろいろあって当たり前だけど、
記念日当日にブログを開設したのは、僕だけだと秘かに自負しています。